投稿/ぴーぱーさん
昨今、ウクライナ戦争、台湾有事の懸念から、日本国憲法第9条の改正が議論されています。
しかし、自民党から出されている憲法改正草案には、それ以外の改正も含まれています。
自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党がこの改正草案に賛成しており、2024年中には改正の発議が出そうな状況です。
危険な個所は主に次の3点です。
■そもそも憲法とはなにか?
憲法とは、権力が暴走しない様、権力を縛る為に作られた法律です。ですから、最高法規が「第97条 基本的人権の尊重」となっており、政府は法律に定められていないことを国民に強制することが出来ません。
反対に、国民を縛る為の法律が、刑法や民法になります。泥棒をしたら罰せられるのはこの法律がある為です。
つまり、憲法とは権力から国民を守る為にある法律で、国民主権が基本的な考え方になります。言論の自由、移動の自由、職業選択の自由、集会の自由等があるのも基本的人権が尊重されるからです。
■自民党の改憲草案ですが、全体的にみて国民主権から国家主権になっており、全体主義や共産主義の様な内容になっています。
例えば第3章国民の権利及び義務。
第11条基本的人権の享有(権利や能力などを生まれながらにもっていること)
現行→国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
改正→国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。
この様に、現行の「妨げられない」が削除され、「侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」が「権利である」だけに変えられています。
つまり、将来的に基本的人権の尊重が保証されない可能性があるということになります。
次に第12条。
現行→の憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
改正→この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。
福祉とは、「幸せ」や「豊かさ」を意味する言葉であり全ての市民に最低限の幸福と社会的援助を提供するという理念を表す。
秩序とは、混乱がなく統制された社会の状態。
現行では他人に迷惑を掛けない限り自由と権利を保障するという意味になっていますが、改正案では秩序となっており、元になる情報が正しかろうが間違っていようが、政府や世間の空気に反することを主張したり行動したりすると秩序を乱したことになり、言論の自由もなく、人権も保障されないということになります。
上記の様に、改正案は人権が著しく制限される内容になっています。
次に話題の第9条です。
自民党は、9条を改正しないと日本を守れないからという理由で憲法そのものを変えてしまおうと主張しています。
ではどうなっているのでしょうか?
現行→第二章 戦争の放棄
改正→第二章 安全保障
第九条
現行→日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
改正→第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
現行の戦力を保持しないが削除され、戦力の保持が認められる内容になっています。
ただ、この項目は、現状自衛隊という戦力を保持している為、条文の内容と現実に乖離があります。
また、新設として国防軍という項目があります。
(国防軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保すために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。
(領土等の保全等)
第九条の三 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。
上記新設の文言の通り、いつでも戦争が出来る状態になっています。
通常の独立国家であれば、国防軍の保持というのは必須項目になりますが、現状の日本はアメリカの植民地です。
詳しいことは省きますが、日米地位協定に書いてある通り、現在の日本はアメリカに制空権を握られ、米軍兵士が犯した罪を裁けず、日本国中どこにでも米軍基地を作れ、その環境保全義務も米国には無く、米軍関係者は税関を通ることなく米軍基地から日本国内に入ることが出来ます。
この状況は、客観的にみても独立国家とは言えません。
また、この状況下で戦争が出来る状態になると、アメリカの戦争に駆り出される可能性が高くなります。
次に、新設される緊急事態条項の創設について見ていきましょう。
第九章 緊急事態
(緊急事態の宣言)
第九十八条
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。(内乱と書いている為、政府に不満をぶつけるデモ等も、緊急事態にされる可能性があります。)
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。 (事後でも緊急事態宣言を出せます。)
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。(国会が緊急事態の解除を認めない限り、何日でも延長出来ます。)
4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。
(緊急事態の宣言の効果)
第九十九条
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。(内閣の言うことが法律と同等になる為、拒否すると逮捕される可能性があり、緊急事態を理由に財産の没収や預金封鎖、増税を行うことが出来ます。また、台湾有事が緊急事態になると宣言された場合、徴兵の可能性もあり、拒否すると逮捕される可能性もあります。)
2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。 (第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けないから、何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されないに変わっている為、政府の都合で拘束される可能性があります。
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障するから、集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。に変わっている為、政府の意に反する集会や言論は秩序を乱したという判断が下される為、言論弾圧や集会で逮捕される可能性があります。)
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。(政府が緊急事態を解除しない限り、議会が解散されず、選挙が無くなります。選挙が無くなるということは、民意が反映され
なくなるということです。)
以上見てきた様に、改憲されて緊急事態条項が発令されると、中国の様な独裁政権が誕生し、人権が無くなります。
その為、戦争が起こりそうとかパンデミックだとかでメディアが煽れば、どんな些細なことでも緊急事態とみなすことが出来、内閣総理大臣が宣言すれば徴兵制もあり得るし、預金封鎖や増税、資産没収、国民の監視、言論の自由や集会の自由も失われ、監獄の様な生活が待っているということになります。
最初の方にも書きましたが、公の福祉から公の秩序という文言に変わっている為、政府が秩序を乱したと判断すれば人権の保障が無くなります。ここが国民主権から国家主権に変わっているという所以です。
ですので、
憲法改正は何としても阻止しなければいけない最重要事項となります。
以上
田仲の感想
ぴーぱーさんの熱い思いが伝わって来ますね。
参政党では創憲を謳っていますが現政権下での改憲は絶対に阻止と言う事ですね。
日本人自身が憲法を作れる日はまだまだ遠そうです。
軍事費のアップのほとんどが米軍の武器等に費やされ自衛隊員の扱いは酷いままと聞きます。挙句の果てに中ロ北朝鮮と反日3国に近い日本が軍備拡大で相手に攻撃の理由を与えては本末転倒。
すでに米軍が日本を守ることはありません(日本が前線で戦うのが前提、米軍が助けに来る保障はありません。なぜなら国連は日本を敗戦国とみなし敵国条項を外していません)
ウクライナの二の舞になっていけないのですね。
では日本はどうすれば。。。
何もしないことです。だそうです。なるほど。(立ち止まる勇気ですね)
国会で岸田総理が就任中に改憲やる気満々の発言をしましたね。国民はしっかりと自分たちの現実を見つめなければなりません。
2024 衆院本会議
— パティ🐾政治で生活が変わる (@fumi10121012) 2024年1月30日
「任期中に憲法改正を
行いたい」#国会中継 #憲法改悪断固反対 pic.twitter.com/Se28zfGrla